3.タイヤ


ここでは各種タイヤの違いと、ホイルスピンについて考えてみたいと思います。
今まではCDM上の概念を用いて考えてきましたが、
本項では想像の域で考えている物が非常に多いです。
まずは考えてみて、それから実験してみて想像が正しいのか確認していこうと考えています。


各種タイヤについて考えます。
まずはホイルスピンという現象は起こらないと仮定して進めます。

タイヤには種類がありますが、この種類にどのような差があるのでしょうか?
私は動力伝達率が違うのではないかと睨んでいます。
当たり前のことですが、エンジンから発生した力は最終的にタイヤから路面へと伝えられ、加速します。
ただし現実にはタイヤまでたどり着いた力が路面へ100%たどり着くことはなく、
いくらかの力は無駄となってしまいます。
この無駄になる力、言い換えると路面に伝えることのできる力の割合がタイヤの差ではないかということです。
この割合のことを私はグリップ係数と呼ぶことにします。
グリップ係数を考えた場合の加速の式はこうなります。

増した速度=(エンジン出力*グリップ係数-走行抵抗)/車重

走行抵抗は空気抵抗なども含まれることから、タイヤとは切り離して考えるべきだと思います。
実際に各タイヤでどのような関係になっているのか推測してみたのが表1です。

表1.推測されるタイヤグリップ係数
ドライ レイン アイス
ノーマル
スリック
レイン
スタッドレス

こんな感じでしょうか。
高いほどタイヤロスが少ないということです。
これはあくまで推測なので不確かですが、確認する方法は比較的簡単です。
同じチューニングの車を用意して、各タイヤとコースについてホイルスピンしていないときの加速度を測ります。
加速度に差が出れば、グリップ係数という物が存在すると考えて良さそうです。
本来ならタイヤ回転数等によってこの値は可変するべきですが、おそらくゲーム上では無視していることでしょう。
という訳でここではタイヤのグリップ係数は走行中は常に一定であると仮定することにします。

もう一つ問題になるのが、駆動方式です。
全ての駆動方式とも同じか、4WDだけ違うのかは実験してみないと解りません。
あるとすれば4WDの時だけタイヤロスが1/2といったところでしょう。

4WD車のグリップ係数=グリップ係数+(1-グリップ係数)/2

といった感じかと。
ただFFとFR程度なら違いはないと考えています。
そこまで考えているとは思えないので。

確認すればすぐ解ることなのですが、私はグリップ係数はもしかしたら存在しないのかもしれないと考えています。
その場合、タイヤの違いによる優劣が無くなってしまいます。
しかし、次の現象を考えることによって、タイヤによる優劣の存在を証明できます。

それは、このゲームにおいて最も重要かもしれない、ホイルスピンです。
ホイルスピンが起こるのは、

エンジン出力>タイヤのグリップ

の時であると考えられます。
タイヤのグリップとは先程出てきたグリップ係数とは違うもので、タイヤがいくつまでのエンジン出力までホイルスピンを耐えられるかに関係する物です。
ここではタイヤのグリップのことをホイルスピン体力と呼ぶことにします。
そしてホイルスピン体力は、

ホイルスピン体力=速度*ホイルスピン体力係数

で求められると考えます。
こう考えた根拠は、
アイスコースなどで同じ回転数でもギアが違って速度が高ければ、ホイルスピンしなくなるからです。
ホイルスピン体力係数は各種タイヤがそれぞれのコースで持っており、関係は表1と同じようになると考えます。
また、4WD車ではこの係数にボーナスが付くと考えられます。
これで4WD車がアイスコース等に強いのも説明が付きます。
このボーナスは単純に2倍でもよいかもしれません。
もう一つ影響があるかもしれないのが車重ですが、
普通に考えて車重とタイヤグリップは別問題なので考えない方がよいとは思います。
しかしアイスコース等では軽い車は軽量化をしない方が速いという話も聞いたことがあるので、
この点については要調査です。

以上の項目についての調査方法はグリップ係数の時とほとんど同じです。
車は同じでタイヤ及びコースだけ変えて、ホイルスピンする瞬間の出力と速度を調べます。
軽量化に関しては軽量化した場合としない場合で同じように調べます。
加速度に差は出ますが、
エンジン出力に差はないのでホイルスピンが始まるときの差は単純にタイヤのホイルスピン体力係数の影響だけとなります。

これだけではタイヤ違いによる差としては弱いです。
そこで私はもう一つ係数があると睨んでいます。
それはホイルスピン中の加速に関する係数です。
ここではそれをホイルスピングリップ係数と呼ぶことにします。
ホイルスピングリップ係数は、ホイルスピンしているときにだけ、グリップ係数に変わって使われます。
これが高いほどホイルスピン中の加速がよいことになります。
ちなみにトラクションコントロールシステム(以下TCS)は、この係数にボーナスが与えられていると考えています。
また、4WD車にも与えられていると思います。
関係は表1と同じでしょう。

これを調べるには、ホイルスピン中の加速度を調べればよいのですが、
ホイルスピン発生条件が同じではないので調べるのは通常では非常に難しいです。
そこで、前に投稿してもらったコードの登場です。
全てのエンジン回転域にて馬力が一定のコード。
これを使えばホイルスピン発生中のエンジン出力はどの条件でも一定なので、比較が容易です。
実はまだ使えるか試していないので、確証は持てませんが。

今までの事柄をふまえると何となくゲームができてきます。
実際のレース中の考え方は次項で説明します。