ドリフトチャンプについて

タイトル:ゼロヨンチャンプシリーズ ドリフトチャンプ

発売:ハドソン

開発:ワークジャム

発売日:2002/11/21

ハード:PS2

定価:6800円




攻略までやる気ありませんのでとりあえず適当なコメントなど:


ゼロヨンチャンプシリーズ最新作。なのになぜか車が曲がる。
これには戸惑ったゼロヨンチャンプファンも多いはず。
神長氏曰く、やっと曲がることまで再現できるハードができたということらしいが。

ゲーム自体は見た目はごく普通のレースゲーム。
ストーリーモードが中心で、各種レーシングモードも備えられている。
以下個別レビューなど。

ストーリー

なんだかどうでもいい感じ。
途中で挿入されるムービーはまあまあ。
車がものすごい勢いでドリフトしながら駆け抜けていく。
しかし、このムービーにだまされた人が何人いる事やら。
1章は強制的に話が進んでいき、話はほぼ一本道。
2章になると、ちょっとゼロヨンチャンプっぽくなる。
雰囲気的には2が近い。
やっとバイトしたり車をいじったりできるようになる。
一応マルチエンディングだが3章に進めるルートは一つ(多分)。、
ただ一応メジャーなコンシューマゲームであからさまなパロディはやめて欲しいと思った(石仮面とか石仮面とか石仮面)。
3章はやってません。

走り

タイトルがドリフトチャンプ。
ということでドリフトを多用して攻めてみると、なぜか最初のステージでタイムオーバー。
なんだかドリフトを使うとものすごく減速して非常に曲がりやすい。
何かおかしいなと思ってグリップ走行中心に切り替えてみると、これがとんでもなく速い。
そして以後はひたすらグリップ走行、急減速しながら向きを変えたいときだけドリフトを使うという、
ドリフトチャンプならぬグリップチャンプの世界へ。
200km/hオーバーでステアフルに切っても加速していくんだからとんでもない世界である。
あとは操作性のせいなのか真っ直ぐ走れない、
アナログボタン採用なので気付かないうちにハーフアクセルになっている、
といったところが気になった点である。

レース

タイマンレースには攻略法があります。
相手がコーナリング中にケツをちょんと突いてやると、
あら不思議、ものすごい勢いでスピンしてコースアウトしていきます。
以上。
イベントによっては敵車が尋常ではなく速いので、
これを使うか意図的にブロックしない限り勝ち目はなかったりする。
一度抜かれたら終わりというわけである。

多台数のレースは先行逃げ切り必須。
なぜか敵車は視界から消えると猛烈にスピードアップする。
それぐらい速くなるかというと、トップ集団は予選のタイムをぶっちぎるくらい速くなる。
敵車は等間隔で差が開いていくので、おそらく視界に入っていない車をろくな演算もされずに走っている(様な処理をされている)のだろう。
なのでトップが見えないところで敵車と戯れていると、気が付いたときはとんでもない差をトップと付けられることになる。
これを防ぐには常に先頭集団にいること、つまり先行逃げ切りしかない。
最初の予選のレベルは、本戦の敵車の反則っぷりに比べて非常に遅いので、
予選でトップを取って3戦全て逃げ切る(ミスをしない)しか勝ち抜く方法はない。

一言でまとめると、このゲームのレースは糞である。

バイト

主なバイトは回転寿司と洗車の二つ。
洗車は汚れを見つけるのが非常に難しい。
アイテムがあってもいらいらしてくるので個人的にはおすすめしない。
寿司があるのにおすすめできるわけがない。


寿司

これだけわざわざ単独で語る価値は十分にある。
これがなかったらこのゲームは世間で話題に上ることも皆無であったであろう。
簡単に内容を説明すると、舞台はカウンター式の回転寿司。
ここで主人公は寿司を握ることになる。
寿司は数種類あり、それらを握って回転レーンに載せていく。
回転レーンには一度に乗る個数に制限があり、
主人公が握る寿司も先行入力が可能だが、工数に限りがあり、変更もきかない。
基本は全ての種類の寿司を回しておくこと。
客は食いたいものがあると注文を出してくるので、それをすぐ握れるようにストックはギリギリにしておくのがよい。
客は食いたいものが出てこないと怒って席を立っていってしまい、店の雰囲気が悪くなるのでそれはなるべく防ぐようにする。
レベルが上がるとだんだん寿司を握るスピードが上がってくるので楽になる。
そしてレベルが十分上がってからがこのゲームの本当の始まりである。

ここからは推測を交えながら書いていきますんで間違っていそうな所があったら突っ込みお願いします。
おそらく客には各寿司の好みのようなパラメータが設定されていて、
こちらの握る寿司のパラメータは種類を問わずレベルによって一定。
寿司が客の設定されたパラメータの数値を超えていれば食べてくれるのだろうと推測できる。
もしかしたら客によっては食事中も常に変動しているのかもしれないがそこまで細かいところはよく解らない。
つまり、マグロが好きな人はレベルが低いマグロも食べてくれる。
こちらのレベルが上がるとあまり好きでない玉子なども食べてくれるといった感じなのだと思う。
そうでなければこの後に語る現象が説明できない。

レベルが上がってくると客はいろんな寿司を食べてくれるようになる。
ある日、面倒くさいのでカッパ巻きだけ流していたら、何とほぼ全ての客がカッパ巻きを食べてくれたのである。
一部不満で席を立ってしまう客はいたが、ほとんどお客が満足して帰っていく。
おそらくこちらのレベルが上がりすぎたせいで、どんな寿司でも客の要求パラメータを超えてしまったのだろう。
この状態になってからの寿司のバイトは楽である。
しかしこの後とんでもない事実と共に、恐ろしい光景が発生することになる。

ストーリーが進むと、寿司編に分岐することができる。
分岐すると店は大型に、しないと中型になる。
そして給料が歩合制になるのだが、ここで驚愕の事実が。
歩合制では、寿司はどれでも一定金額なので原価が安い寿司を売った方が儲かるという設定。
そして中型店で一番儲かるのはカッパ巻きなのだが、何と利益が16ドル。
大型店にて登場するプリンに至っては何と18ドルである。
この設定から察するにおそらくこの回転寿司は一皿20ドルで販売されているのだろう。
今まで食いたい物が回ってこないくらいで買えるなボケ、と客に切れていたが、
この値段を考えると考えると客が切れて当たり前である。
そしてレベルが上がった状態だと何でも客は食べてくれるので、
必然的に中型店ではカッパ巻きのみが回ることになる。
それでも客は満足してくれるのでまあよしとしよう、一応寿司であることだし。
しかし問題は大型店。
もうオチは解っていると思うが、プリンだけ出し続けても客は満足して帰っていく。
回転寿司なのに回っているのはプリンだけ、なのに店は大繁盛。
みんなこぞって20ドル(推定)のプリンを食べて満足して帰っていく、回転寿司屋で。
寿司ルートでは、ある一定額の売上を達成するとエンディングとなる。
全米ナンバーワンの回転寿司チェーンになれるのだ。
プリンだけで。


総評

無理してやる価値皆無です、このゲーム。
ゼロヨンチャンプファンであってもやらなくてもいいと思う。
おそらくゼロヨンチャンプファンが望んだのは、ゼロヨンチャンプの仕様のまま車が曲がることもできるゲームだと思う。
少なくとも私はそうである。
わずかな直線で400km/hオーバーまで加速し、物理法則を無視したドリフトでものすごい勢いでコーナーをクリアしていく。
そんなゲームがしたかった。
何でこんな中途半端な糞ゲーができてしまったのだろう。
寿司がなければ糞ゲーにすらなれなかったであろう。
神長氏のコメントを読んでいるとますます理解できなくなる。
少しずつ何かが狂ってしまって、最後には取り返しの付かないことになってしまった、そんなゲームであると思う。


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